デコボコ

札幌、介護、北海道

2017.2.7 心気症

とある入居者様のこと

女性。90代。手に職をつけ、若い時に自宅で開業し、生計を立ててきた方。仕事への誇りも、自分の腕で稼いできたことへの自負もあり、ご主人が亡くなってからも気丈に生きてきた。90歳を目前にして急に「心臓が締め付けられる感じがする」「息が苦しくてどうにかなっちゃいそう」「お腹が張ってるけど何かの病気ではないだろうか」などと、様々な不調を訴えるようになり、救急車を呼んでみたり、頻繁に受診したりと、家族や病院の厄介になるようになってしまう。内科的には異常は全くないし、説明を受けているにも関わらず、繰り返してしまう。その対応に手を焼いた家族が本人を説得して、いま住んでいる施設に入ることになった。それが1年前。

一度対応に手を焼いて、精神科に入院してもらい、退院後は少し落ち着いていたが、ここ最近、上記と同様の訴えが苛烈を極めていて、職員もそうだが、私ともう一人の管理者が揃って頭を抱えてしまっている。

入院したところも、現在通っている精神科も、どちらも心気症とは言っていないが、どうにも心気症(疾病固執型)に思えてならない。

ここ最近、離職や入居者の体調不良が続いて、職員も管理者もせわしなく心の余裕がなくなっていた。訴えへの対応が蔑ろになり、この方の心に澱が溜まっていっているのは感じていた。

精神療法については精神科に任せるわけだが、的確な診断をしていただくためにも、今まで以上に日頃の情報をまとめて、医師に提供する必要を感じる。

心気症であろうと、病気の根底には恐らく強い不安感があることは感じていて、それを聞き出し、吐き出させるためには相談に乗る相手、今の生活では私になるかと思うが、私が逃げてはダメなんだろうと、心気症に関する記事(※1)を読んでいて気づかされた。

明日よりスケジュール化し、できる限り毎日、30分程度、話を聴くようにしていこうかと思う。

心情を吐き出して、少しでも落ち着いた生活を送ってくれればいいが…。

※1 『心の病.net』(http://kokoroyamai.net/hypochondriasis/entry82.html