デコボコ

札幌、介護、北海道

2017.2.16 距離を置きたくなる高齢者

介護の職場には、高齢者と接したくて応募しました、なんてことを言って面接に来る人が多いけど、まったく高齢者のことを知らないか、悪気なく高齢者を差別してる人か、大いなる偽善者のどれかだと思ってる。大いなる偽善者はここでは置いておくとして、高齢者に対する無知ならびに差別については常に自覚しておくべきだと考えている。自分自身、高齢者介護に身を置いていながら、高齢者のことをよく知らないとの自覚を持っているので、今後、定期的に高齢者について書いていくつもりである。

高齢者も若い人と同様、各人各様で、前向きに生きている人から距離を置きたくなる人まで幅が広い(高齢者は画一的な存在ではないということを忘れてしまいがちである)。

前向きに生きる高齢者については、道端に捨てられている書籍にも書かれている可能性があるほどに、様々な形で人口に膾炙していると思うので、基本的にここでは取り上げないつもりだ(実際体験した話は書くつもり)。今後、ここで書いていきたいのは、距離を置きたくなる(と思わず考えてしまう)高齢者についてである。

高齢者とはともすると不気味な暗さを抱えた存在に感じることがままあるかと思う。アルツハイマー病に代表される脳の変性疾患による認知症を有してしたり、喪失体験による鬱病や孤独感、慢性的な心身の不調などにより、とにかく若者よりずっと暗くなりがちである(逆に考えれば若者でも高齢者のような不気味な暗さを抱えている者がいるということ)。

人類の発展の一端を担い、役割を終える存在である高齢者は、尊重される位置にありながら差別を受ける身でもあるが、もはや日本では4人に1人が高齢者というマジョリティとなっていて、よくわからない状態である。今後、パワードスーツや人工知能を手にした場合、高齢者の不気味な暗さも消え散るかも知れないので、今のうちに書き残していければと思う。